2021年6月16日未明、参院本会議で特定の土地利用を規制する法案が可決されたと報道がありました。
近隣住民や団体からは抗議が殺到し、世間でも物議を醸しています。
ちょっと難しいこの土地利用規制法可決のニュース、何が問題なのか?ちょっと掘り下げてみようかと思います。
- 土地利用規制法の問題点
- 誰が抗議している?国民や政治家の声ってどんな感じ?
- 対象地域はどこ?
こんな疑問があるかと思いますので、リサーチしたことをまとめてお届けします。
あなたのお住まいの地域も対象かもしれない・・・?
今後の日本がどうなっていくか判断する重要なポイントとなりますので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
※2021年6月16日夜間に、対象地域を具体的に調べたので追記しました。
土地利用規制法の問題点を洗い出す
土地利用規制法の何が問題なのか考える前にサクッと概要を理解しておきましょう。
今回の土地利用規制法というのは平たくいうと、
「日本国内の重要な土地」を購入する場合は内閣総理大臣への届け出が必要になる
「日本国内の重要な土地」に住む住民の行動や土地所有者の個人情報を調査する
つまり、日本国内の重要な土地に指定された地域での自由がなくなるということ!
ここでいう重要な土地とは、政府によって2つの大カテゴリーに分類されます。
注視区域 | 重要施設の周囲1キロ、国境離島 |
特別注視区域 | 注視区域よりも重要な区域 |
重要施設とは、自衛隊基地や米軍基地、原子力発電所周辺などの生活する上で密接に関わってくる施設のことです。
要は、国や外交国が絡んでくる施設が中心になっています。
その周辺に住む住民の動きや土地利用の記録を一気に調査できるというもの・・・
ここまでわかったところで、何が問題点なのか、対象地域はどこなのか深掘りしていきたいと思います。
対象地域
政府は、土地規制法の対象になる地域の具体的リストは示していません。
国境離島は484箇所、防衛関係施設が500箇所以上にのぼると発表したのみ。
政府は具体的な対象施設を一切明らかにせず、東京・市谷の防衛省本省が該当するかどうかすら明確にしていない。
引用:東京新聞
近辺にお住まいの国民は気が気でないことでしょう・・・
2021年6月16日追記:
全てを洗い出すことは難しいですが、土地規制法の対象になる地域の国境離島と防衛関係施設の場所についてリサーチしたことを残しておきます。
国境離島 | エリア・都道府県 |
御蔵島、八丈島、青ヶ島 | 伊豆諸島南部エリア |
種子島、屋久島 | 鹿児島県 |
佐渡島 | 新潟県 |
利尻島、礼文島 | 北海道 |
対馬、壱岐島 | 長崎県 |
竹島、硫黄島、黒島 | 三島エリア |
島国日本の国境は、大小様々な島々によってカタチづくられています。
その中でも、特定有人国境離島地域と呼ばれる個性豊かな71島(15地域)の魅力を覗いてみませんか?
引用:日本の国境へ行こう!
防衛関係施設 | 都道府県 |
旭川駐屯地 | 北海道 |
朝霞駐屯地 | 東京都 |
木更津駐屯地 | 千葉県 |
呉地方総幹部 | 広島県 |
八戸航空基地 | 青森県 |
那覇基地 | 沖縄県 |
新潟分屯基地 | 新潟県 |
大井通信所 | 埼玉県 |
参考:防衛省・自衛隊HP
実際に調べてみると、これらの地域より膨大に防衛関係施設が存在します。
結構日本全国に散らばっているので、あなたがお住まいの地域も該当する可能性があります。
いまだ土地規制法の対象になる地域の公式発表はありませんので、参考程度に防衛省・自衛隊HPをご案いただくといいと思います。
問題点と政治家と国民の不満の声
引用:朝日新聞デジタル
具体的に土地規制法の何が問題なんでしょう?
- 対象地域が今のところ不明確
- プライバシーの侵害
- 基地や原発の抗議活動を制限され、場合によっては勧告・中止命令が出される
- 従わない場合は、2年以下の懲役、200万円以下の罰金が課せられる
- 何が制限の対象か明確に示されていない
- 建前上は国防のためとなっているが、別の狙いがあるのではという懸念
想像してみてください。
ある日突然、自分が普通に住んで普通に暮らしていただけなのに
※ここからの会話は、予想なので絶対ではありません。
調査員「ここの土地の所有者の方ですか?名前や利用目的など調査します。」
住民「どうみたって普通に住んでただけだろ・・・」
土地購入希望者「ここの土地買って一軒家建てよう」
調査員「では、内閣総理大臣への届けが必要なので、こちらとこちらとこちらの書類と身分証明書3種類の提出をお願いします」
土地購入希望者「めんどくさ・・・自由に買わせてくれよ・・・別の土地を検討しようかな・・・」
など、行動の自由がかなり制限されてプライバシーも侵害されて嫌な気分ですよね。
それにこの土地利用規制法案、今のところ内容がスッカスカで不明確な点が多いのも抗議の対象となっています。
自衛隊・米軍の基地周辺や国境離島の土地利用を規制する法案が成立した。
新たな法制は、対象区域や土地所有者に対する調査項目など、地域住民にとって影響の大きい内容を条文に何も記していない。
政府は重要な土地を外国資本などに押さえられ、日本の防衛に支障が出る事態を防ぐ必要があると強調するが、曖昧な制度の乱用により、私権が過度に制限される懸念は国会審議でも解消されなかった。
法案は、土地所有者らが基地の機能を阻害する行為を行う恐れがある場合、国が中止を勧告・命令できるようにするが、この「阻害行為」も具体例は示されていない。
引用:東京新聞
国民や政治家の声も見ていきましょう。
今回の土地利用規制法は、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党の賛成多数で可決されました。
反対派は主に共産党、立憲民主党の議員です。
6月16日夜中の2時28分重要土地規制法案が成立をしました。違憲立法の成立に強く抗議をします。 pic.twitter.com/qqHzhGQBQ8
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) June 15, 2021
真夜中の参議院本会議。
— 石垣のりこ (@norinotes) June 15, 2021
議院運営委員長解任決議案は、賛成65、反対171で否決されました。
このあとの法案採決において、立憲民主党は、問題だらけの土地利用規制法案に反対を貫きます。 pic.twitter.com/uc7Wx09R8L
土地利用規制法は思想・良心の自由、表現の自由、プライバシー権、財産権などの基本的人権を侵害する!
制限の対象区域や行為を具体的に定めてないから、恣意的な乱用の恐れがある
国に不都合な周辺住民の行動を、法を掲げて規制できるから政府にとっては好都合!
ある日突然見知らぬ人がやって来て、ズカズカと家の中に押入り、あちこち調べて回るかも
やはり自由を奪う由々しき法案であるとの声が多数です・・・
まとめ
土地利用規制法の問題点について深掘りしました。
今回問題になっていたのは、法案の中身がハッキリしないことと、対象地域住民の行動が制限されプライバシーが侵害が懸念されることです。
表面上は国防のためとなっていますが、政府の真の狙いとはなんでしょう?
今後明るみに出てくることが予想されるのでしっかり情報をウォッチしていきます。